JOURNAL

AnDi×HAPPY NUTS DAY
ベトナムピーナッツソースができるまで

2023.06.16

AnDi×HAPPY NUTS DAY ベトナムピーナッツソースができるまで

新たな人気商品となった『ベトナムピーナッツソース』。一緒に開発したモダンベトナミーズ『AnDi』内藤シェフと2年の歳月かけて完成するまで。

2021年 春

美大からの友人に誘われて、ディナーに訪れた都内のモダンベトナミーズ『AnDi』さん。案内されたカウンター席は、シェフを務める内藤千博氏の調理が眺められる位置。注文したコースは、名物でもある茶葉を使ったサラダにはじまり、味わった事のない創作ベトナム料理の連続に僕らは終始悶絶。さらにペアリングで骨抜きに。気づけばあっという間に閉店時間になり、せっかくだからと僕のポケットに入ってたピーナッツバターをシェフにプレゼントして店を後に。そして翌日、興奮冷めやらぬままシェフ宛に、「ピーナッツバターを使ったソースを一緒に作りませんか」とメールをしたのがはじまりです。

数日経ってシェフより、改めて一度お会いしましょうとのお返事。開店前のAnDiさんを再訪し、商品開発の相談をしているうちに、シェフの妄想がわさわさと湧いてきて両者興奮。ぜひ作ってみよう!との話になりました。

さっそく試作用にとピーナッツバターを送ったものの、しかし、シェフからの連絡はしばらく来ず。。。やはり人気店だし忙しいよなと思いきや、僕が間違えて全く関係のないベトナム料理屋さんにピーナッツバターを送っていただけでした。

彷徨ったピーナッツバターも無事シェフの元へ辿り着き、3週間ほどしてシェフから試作ができましたとの連絡が。提案していただいた初代レシピは、マンゴービネガーやミントを使ったもの。予想だにしなかったピーナッツバターの変身に感動。僕らのピーナッツバターが、こんな姿に昇華されるなんて最高すぎると、ワクワクしながら持ち帰ったのを覚えています。

商品化への様々なハードル

いち早く、この美味しさをみんなに届けたいと準備に取り掛かるも、そこから流通させるまでのハードルがとにかく多かった。ザッと挙げるだけでも、生菌対策、劣化対策、原価調整、味の安定性。そして、それらを無添加でクリアしようとすると更にハードルが増します。でも、これらを妥協すると、危険で、短命で、しかも超高額なものになる。

安全検査は試作品を1ヶ月ごとに専門機関でチェックし、菌が確認されればレシピは振り出しにもどる。残念ながら、マンゴービネガーを使った初期レシピは残念ながらお蔵入りに。世の中に流通しているほとんどの食品はこれらのハードルと日々向き合っているし、心から満足した内容で流通できているメーカーはきっと少ないと思います。

救世主スパイス、マーガオ

そんな出し戻しを続ける中、これはいいかもとシェフが提案してくれたスパイスが生のマーガオ。台湾の海抜1500mほどに暮らすタイヤル族(ビビアン・スーのお母さんもタイヤル族です)が作る、山椒の様でレモングラスの様な不思議なスパイス。無事に安全検査も、今では(2023年6月9日時点)225日をクリア。そんなこんなで2年ほどかかってしまったけど、満足いくレシピと共に完成したソースは、なんとも名付けようのない魅力なので『ベトナムピーナッツソース』と命名。

ベトナムピーナッツソース、誕生

2023年1月、HAPPY NUTS DAYのファクトリーにてシェフ自らが振る舞うベトナムピーナッツソースのお披露目会を開催。メニューは、ファクトリーの近くで採れたイチゴと九十九里のハマグリを使った生春巻き、名産の海水ネギと鴨のつくね、そしておまけに落花生のフォー。50名を超えるゲストも笑顔で悶絶。時間はかかってしまったけど、無添加のままでハードルをどうにか越えられたかなと安堵しました。

3月に開催したほぼ日のライブコマースでも、食べて笑顔になるリアクションで伝わったのか一番人気に。

おすすめの食べ方は、野菜のディップ、水餃子、鍋のつけだれ、餅、玄米ご飯だったり。他にもたくさんあると思います。

すごく時間はかかったけど、みんなが食べる反応見る度に作ってよかったと思っています。で、どんな味なの?とよく聞かれるのですがなかなか説明が難しい。山椒の様なピリッとした印象にサワリーな柑橘果汁が合わさって、最後にレモングラスのような香りが抜けるピーナッツベースのソース。そんな、名付けようのない魅力の虜になる人続出です。ファクトリーショップでも試食した9割の方はお持ち帰りするHAPPY NUTS DAYの新キャラ。ぜひ、食べてみてください:)